先週木曜日・金曜日と、埼玉県上尾市役所で職員研修の講師をつとめてきました。
■職場でワイワイ・ガヤガヤ「議論」しながら、楽しく「評価」する
テーマは「政策形成」。題して「職場議論が活性化する!創造型政策評価実践演習」。
主な対象者は主任職4年目の職員33名(一般行政職員だけでなく、消防士・保育士・保健師など多種多様)。
私はこの研修の講師を平成19年度以降毎年つとめており、事務局の方も慣れておられます。
ちまたでは「書類づくりが中心の行政評価」が多いなか、そうではなく「職場で議論しながら事業の評価を進める方法論」を実践演習により体得することが、本研修のねらい。
研修は連日9時から17時まで、5分刻みのタイムスケジュールに沿っておこなわれ、結構ハードなもの。
研修生の皆さん、お疲れ様でした。
今回は6チームに分かれ、同市で実際に行われている6事業を選定し、政策の分析と評価をおこなった。
いずれのチームも熱心に議論しながらロジックモデルの作成、政策効果の算定、問題の発見と再定義などを行い、事業の改善提案に繋げられたと思う。
今回も、職員の方々のポテンシャルの高さを感じることができた。
また研修終了後の受講アンケート結果から、研修生の満足度も一様に高かったようである(5段階の満足度評価で「5」又は「4」とした割合=87%)。
■「PC」との対話ではなく、「職場」での対話を
以上は、あくまで職員研修である。
だが実際に「創造型政策評価実践演習」(通称:CPE)を導入している自治体もある。
群馬県安中市では昨年度(21年度)よりCPEに取り組み、成果を上げている。
90年代半ば以降、ITの進展によって、職場ではノートPCに向かって黙々と仕事するスタイルへと様変わりした感がある。
けれども何年かに一度は少しの時間立ち止まり「自分たちが担当している事業や業務がどのような問題解決に役立っているのか」「どのような成果を上げているのか」について、職場でじっくり議論し評価してみてはいかがだろうか。きっと仕事のやり方が変わるはずである。
<参考>
・佐藤徹『創造型政策評価-自治体における職場議論の活性化とやりがい・達成感の実現』(公人社、2008年)
・佐藤徹「創造型政策評価の実践法」『月刊 地方自治職員研修』2009年7月号~11月号連載